人生いろいろ、被曝もいろいろ、リスクもいろいろである。ここでは、放射線によるリスクと日常生活でのリスクを比較し、若干の批判を加えているが、最終的には「安心」して作業できることが分かるだろう。
震災後の御用番組の中で、メディア関係者や原発御用・知識人が声高に唱えた主張の1つが、「様々なリスクとの比較」であった。今回の事例でいえば、放射線によるリスクも存在するが、日々の生活の中には放射線以外のリスクも数多くあり、放射線はそれらのリスクの1つに過ぎないことを意味する。
他のリスクには、喫煙、飲酒、野菜不足、運動不足、肥満、交通事故、経済・家計などが挙げられているようだ。
これは、高度な技術力や積み重ねてきた知見が生み出したマジックワードとも言え、人類共有の財産と言えるだろう。
@本人の意識や価値観といった能動的行動で生み出されるリスク
と
A本人の意思とは関係なく強制される受動的行動で生み出されたリスク
とを並列して比較するという新たな方法を編み出したからだ。
たしかに、放射線による健康リスクと避難・疎開による経済リスク(健康リスクが生じる場合もあろう)を天秤にかけてバランスを考えることは理解できる。
しかし、乳幼児も含めて「喫煙よりマシ、野菜不足と同等」「食品の一律基準」というような主張を前面に押し出してアピールしてきたことは、乱暴すぎやしないか。細かく丁寧に主張することが今後の課題であろう。