被曝リスクは安心レベル!原発御用による福島原発の炉心調査方法を大胆提案


第2章 「隠す技術」 原発・被曝に関するリスクを隠して安心

不都合な情報隠しCモニタリング数値隠し
放射線量モニタリングの場所を選んで「安心」

東日本大震災に起因する福島第1原子力発電所(ふくいち)で発生した様々な事象は、モニタリング数値の取捨選択および情報公開にも多大な影響を及ぼした。

「ふくいち」敷地内の線量発表では、基本的にはモニタリング数値の低い値を選んで発表していたという曖昧な記憶がある。たとえば、安定して約3mSvを検出していた事務本館北や南ではなく正門や西門の数値がメディアで発表されることが多かった(NHKかぶんブログ除く)。また、放射線量においても、ある時点から変更された。たとえば、神奈川県では川崎から茅ヶ崎へ変更されている。

モニタリング手法も特筆に値するであろう。地上十数m程度でのモニタリングを継続したことである。たしかに、事故直後であれば、有効な手法である。しかし、地面へ沈着することは明白であり、速やかに地上1cm、5cm、50cm、1m等でのモニタリングに移行すべきであったといえる。また、かく乱の少ない場所、放射性物質が集積される場所など多様な環境・地点での測定が必要であり、その公開が待たれる。

しかし、このモニタリング場所変更等に対する「抵抗=粘り強さ」は、信念が感じられ世界的に高く評価される可能性もある。

積算線量の胡散臭さ

積算線量の胡散臭さは異常であろう。その理由は2つある。
まず、屋外8時間、屋内16時間で推計しており、屋内は屋外の60%で算出していることだ。たしかに、安全指針等で屋内は40%軽減されるようなことが書かれている。しかし、「人生いろいろ、被曝もいろいろ」であり、屋外での活動時間が長い人もいるであろう。平均値を取れば良しとする考えは改善されないのであろうか。

また、そもそも、屋内外の推計方法にも問題がある。木村真三氏の調査結果を放映したEテレの番組においても、屋内外での線量差はほとんどなかった。屋外から放射性物質を付着させて屋内に入ったために起きた現象と推察される。このように、屋内に入るときに完全に除染できるわけではない事例もあるのだ。

したがって、より安全側に立ち、最大被曝量として、屋外24時間で推計することが望まれる(屋外24時間の場合と現在の推計方法の場合の両方の数値の公表でも良い)。また、事故直後の欠損しているモニタリング数値の推計も、しっかりと含めることが必要であろう。なお、文科省によるモニタリングは3月15日21時頃の330μSv/h(約20km地点)が最初であったようだ。

今回の炉心調査でも、「安心」を確保するため、格納容器内の数値は炉心から遠い場所の数値を測定し、公開することが望まれる

第2章 「隠す技術」をいかせば「安心」

これまで9ページにわたって述べてきた「リスクを隠す」。いろいろな「隠し」があったことが分かっていただけただろう。何か問題が発生しても、都合の良い情報を使えば、だいたいの問題は解決する。

さらに、これらを隠すための技術、いわゆる「隠す技術」には、曖昧な表現、言葉遊び、数字遊び、不十分なモニタリング、部分的な科学的知見に基づく説明、データの不自然な消失などがあった。これらを駆使することにより、原発御用による炉心調査は大きな問題が発生することなく達成されると考えられる。被曝線量やリスクは大きな問題にならないのだ。

さて、次ページでは、「なぜ、原発御用が炉心調査を行うべきなのか」、その理由を説明していく。

次ページ:原子力界の高い専門性〜第3章原発御用による炉心調査が必要な理由
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