被曝リスクは安心レベル!原発御用による福島原発の炉心調査方法を大胆提案


第2章 「隠す技術」 原発・被曝に関するリスクを隠して安心

法律等を隠せば安心

法治国家である日本で法律(政令・省令・条例等)に違反することは、ただちに影響があるはずであった。しかし、緊急事態であるためなのか、放射線に関する法律を無視し、違法行為を行ったとしても、罪には問われくなってしまったのかもしれない。

有名な事例は、厚生労働省の省令である「電離放射線障害防止規則(電離則)」に明記されている放射線管理区域に関するものであろう。

放射線管理区域の概要及び規制内容

【放射線管理区域】(抜粋)
放射線管理区域は、3ヶ月あたり1.3mSvを超えるおそれのある場所のことをいう。年間に換算すると5.2mSvであり、1時間あたりに換算すると0.6μSv以上の場所となる。

放射線管理区域には、様々な制限や規則が存在する。

■放射線管理区域で行わなければならない対処
1.関係者以外の立入りを禁止し放射線被ばくを防止する。
2.放射線モニタリング等を厳重に行い、被ばく防護対策を行う。
3.管理区域外への放射線の漏洩、放射能汚染の拡大を防止する。
4.標識・柵等によって境界を明示・区画し、出入り管理を行う。
5.被ばく管理を行う。

6.18歳未満の労働禁止(労働基準法)
7.飲食禁止(?)


以上のような規制があるにもかかわらず、現状では厳守されていない。これらの規則の遵守が困難であることは理解できるが、少なくとも、これらの放射線管理区域の内容を国民に周知し、「無茶なこと」をさせないようにすべきであっただろう。

新時代の法治国家の理想型および炉心調査への影響

そのような不備だけでなく、新たな主張が登場してきたことも注目に値する。
すなわち、「放射線管理区域」は現状では適用できない、あるいは、年間5.2mSv(3ヶ月あたり1.3mSv×4季)以上の場所はラムサールやガラパリにもある等の主張である。

つまり、広く薄く汚染されたので本来の目的と異なり、海外にも日本の汚染地域以上の場所があるから適さないということらしい。

これは、状況によっては違反は許されることを意味する新しい考え方であろう。
ドイツのアウトバーンでは制限速度がないため200km/hでも走行できる。したがって、日本の速度制限は適さない(速度違反は大丈夫)。広範囲にわたって薄く廃棄物を撒き散らかしても大丈夫というような考え方であり、21世紀の我が国が世界に先駆けて確立した「法治国家」の理想型といえるかもしれない。

しかも、3番目の「管理区域外への放射線の漏洩、放射能汚染の拡大を防止する。」も無視できるため、瓦礫の拡散等に多大な貢献をすると考えられる(新法や政令ができたとはいえ)。

なお、事業者である東京電力は、福島第1原発から女性社員を当該規則(たしか)に基づき撤退させており、本来の目的との整合性が問われるかもしれない。ただし、炉心調査作業員は東電社員ではないため、配慮する必要はないであろう。

また、今回の原発御用による格納容器内炉心捜索調査では、マイクロシーベルト単位のヌルい環境ではないため、考慮する必要はないと考えられる。

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